皇居から京都へ
新たな世の始まりをことほぐ

天皇陛下の即位とともに元号が改まり、令和の世を迎えました。新たな世の始まりをことほぎ、皇室ゆかりの地である京都において、宮内庁三の丸尚蔵館の名品を、日本の宮廷で培われた文化とともに紹介する展覧会を開催します。本展は、宮内庁諸機関が管理する名だたる品々と、天皇家に伝来する御物が、東京以外の地でまとまって公開される初めての機会。皇室と縁を結んだ名品の数々をご堪能ください。

令和度 悠紀(ゆき)主基(すき) 屏風 公開

悠紀・主基屏風とは、新天皇が即位後に行う大嘗祭(だいじょうさい)に、穀物等の神饌を献じる悠紀地方、主基地方の四季の情景を描き、両地方を詠み込む風俗歌の色紙形を添えた屏風です。令和度の悠紀地方は栃木県、主基地方は京都府でした。本展には、令和の大饗の儀を飾ったこの屏風も出品されます。

皇室につどう書画 三の丸尚蔵館の名宝

三の丸尚蔵館には、さまざまな形で皇室と縁を結んだ書画 の逸品が収蔵されています。本展は、このコレクションを皇室ゆかりの地・京都で見る、まさに千載一遇の機会です。

筆跡のもつ力

喪乱帖

前期展示

喪乱帖(そうらんじょう) 王羲之(おうぎし) 筆(搨本) 宮内庁三の丸尚蔵館

四世紀の中国で活躍した書聖・王羲之の真蹟は現存せず、その書風を伝える模本が珍重される。本作はその中でも随一。

絵と紡ぐ物語

春日権現験記絵

春日権現験記絵(かすがごんげんげんきえ) 巻一(部分) 高階隆兼(たかしなたかかね)筆 詞書 鷹司基忠(たかつかさもとただ)ほか 筆 宮内庁三の丸尚蔵館

二十巻すべてが揃い、製作の背景を記す目録とともに伝えられる、奇跡の絵巻。鎌倉時代の歴史や美術を語る逸品として知られている。

通期展示(巻三・巻十一・巻二十:前期展示、巻一・巻十五・巻十九・目録:後期展示)

蒙古襲来絵詞

通期展示(前巻:前期展示、後巻:後期展示)

蒙古襲来絵詞(もうこしゅうらいえことば) 後巻(部分) 宮内庁三の丸尚蔵館

元軍に立ち向かう御家人たちの雄姿など、元寇のありさまが描かれている。教科書でもおなじみ、歴史資料としても名高い絵巻。

近世絵画 百花繚乱

旭日鳳凰図

旭日鳳凰図(きょくじつほうおうず) 伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)筆 宮内庁三の丸尚蔵館

若冲が画家に専念することになった四十歳の折りの記念碑的作品。加えて代表作の《動植綵絵》八点も出陳(展示替あり)。

後期展示

源氏物語図屏風

後期展示

源氏物語図屏風(げんじものがたりずびょうぶ) 左隻 狩野永徳(かのうえいとく)筆 宮内庁三の丸尚蔵館

桂離宮を営んだことで知られる八条宮家に伝来した作品。かつては邸宅を飾る襖絵であった。

御所をめぐる色とかたち

今では見ることのかなわない京都御所の儀式や日々の光景を、様々な作品を通してご紹介します。

即位の風景

霊元天皇即位図屏風

後期展示

霊元天皇即位図屏風(れいげんてんのうそくいずびょうぶ)(部分) 狩野永納(かのうえいのう)筆 京都国立博物館

近代に大きな変貌を遂げ、今では見ることがかなわない、江戸時代の京都御所での即位の風景が描かれている。天皇の顔を明確に描く即位図はほかに類例がない。

漢に学び和をうみだす

雲紙本和漢朗詠集 巻上(部分)

通期展示(巻替あり<この場面は後期展示>)

雲紙本和漢朗詠集(くもがみぼんわかんろうえいしゅう) 巻上(部分) 藤原行成(ふじわらのゆきなり)筆 宮内庁三の丸尚蔵館

漢詩と和歌を集めた平安時代のアンソロジー。藍色の雲形を漉き込んだ料紙に、力強さを秘めた美しい書が映える。

屏風土代(部分)

後期展示

屏風土代(びょうぶどだい)(部分) 小野道風(おののみちかぜ)筆 宮内庁三の丸尚蔵館

三跡の一人、道風の代表作。宮中の屏風絵に寄せた漢詩の下書きで、完成品は「唐絵」を飾ったと考えられている。

天皇の姿と風雅

天子摂関御影(部分) 天子巻

通期展示(巻替あり<この場面は前期展示>)

天子摂関御影(てんしせっかんみえい)(部分) 天子巻 藤原為信(ふじわらのためのぶ)豪信(ごうしん)筆 宮内庁三の丸尚蔵館

平安から鎌倉時代の天皇の系図を肖像でつづる絵巻。写実的な筆致で個性的な風貌がとらえられている。

王朝物語の舞台

飛香舎襖絵

通期展示(前後期で表裏入替あり<この2面は前期展示>)

飛香舎襖絵(ひぎょうしゃふすまえ) 土佐光貞(とさみつさだ)光時(みつとき)筆 宮内庁京都事務所

松喰鶴蒔絵螺鈿二階厨子飾

通期展示

松喰鶴蒔絵螺鈿二階厨子(まつくいづるまきえらでんにかいずし)および沈枕(じんまくら) 飛香舎調度(ひぎょうしゃちょうど)のうち 東京国立博物館

藤壺の別名で知られる飛香舎は、天皇の后妃のための殿舎のひとつ。京都御所の飛香舎を飾る襖絵とそこに配された調度。

右:《霊元天皇即位図屏風》(部分) 狩野永納筆 京都国立博物館、左:《旭日鳳凰図》(部分) 伊藤若冲筆 宮内庁三の丸尚蔵館、下:《源氏物語図屏風》(部分) 伝狩野永徳筆 宮内庁三の丸尚蔵館 ※いずれも後期展示